ブロードウェイミュージカル「ハミルトン」のチケット販売

一幕

ミュージカルは「アレクサンダー・ハミルトン」という、ハミルトンが私生児であり孤児であったという生い立ちと、これから出てくる登場人物とのつながりを紹介する曲からスタートします。この曲をメインで歌うのは、もともとはハミルトンの憧れの存在でありながらも、最後はハミルトンの政敵となり、決闘でハミルトンを撃って殺してしまうアーロン・バー。

ハミルトンとアーロン・バーの出会いは1776年の夏。バーはマシンガンのように話すハミルトンに、「もっと笑って、そしてあまりしゃべらないように」とアドバイスします。

ハミルトンはそのアドバイスを拒否し、3人の革命家たちと出会い意気投合。大義のために生きることを夢見ます。一方で、ニューヨーク中に漂う革命の雰囲気に、スカイラー3姉妹はいてもたってもいられません。そんな姉妹とハミルトンは1780年に出会い、次女のイライザとすぐに恋に落ちます。実は長女のアンジェリカもハミルトンに惹かれていましたが、妹のことを思いアンジェリカは身を引き、ハミルトンとイライザは結婚します。

ハミルトンとバーは大陸軍に入団し、ハミルトンは将校だったジョージ・ワシントンの右腕に抜擢されますが、ジョージ・ワシントンはハミルトンではなくチャールズ・リーを昇進させ前線に送ります。リーはワシントンの命令に反し軍隊を撤退させたために、モンマスの戦いで敗戦を喫します。リーがワシントンに対して中傷を始めると、ハミルトンはこれに反論。見かねた仲間が、リーに決闘を申し込み勝利しますが、これに怒ったワシントンはハミルトンに家に戻るように命令します。家に帰ると、イライザのお腹の中に新たな命が宿っていたことを知り、独立戦争後に二人の間にフィリップという子が生まれます。

ハミルトンは一度家に戻りますが、戦争の終盤でハミルトンが必要となり、ワシントンはハミルトンが長い間待ち続けていた前線での指揮を指令。ハミルトンはヨークタウンの戦いに勝利し、アメリカはついに独立を勝ち取ります。

独立戦争後ハミルトンとバーはニューヨークに戻り、法律家としての勉強を始めます。ハミルトンは憲法制定会議の代表者として「ザ・フェデラリスト」（アメリカ憲法の批准を推進するために書かれた論文）を共作で書き上げ、初代大統領となったワシントンに初代財務長官として選ばれるなど、休むことなく働き続けます。

二幕

1789年、フランスで大使として働いていたトーマス・ジェファーソンがアメリカに戻ってきます。ワシントンはジェファーソンを初代国務長官に任命しますが、戦時中にできた負債やフランス革命を支持するかどうかで、何度もハミルトンと意見を衝突させます。

働きすぎのハミルトンを、イライザとアンジェリカは休暇に誘いますが、ハミルトンはこれを拒否。自宅で仕事を続けます。家族が不在の間、マリア・レイノルドという女性が訪ねてきて、旦那の虐待から救ってほしいと懇願します。ハミルトンはただ助けるだけでなく、マリアと不貞行為を働きます。それを知ったマリアの旦那が、ハミルトンを脅しお金を要求しますが、ハミルトンは不倫をやめることができませんでした。

ハミルトン、ジェファーソンとマディソンは会食を開き、ハミルトンの財政プランを支持するかわりに、首都をニューヨークからワシントンD.Cに移すことを認める1790年妥協の基盤を作ります。この出来事がバー不在で行われたことで、バーは政党を鞍替え、権力を持とうと企みます。この結果、バーはスカイラー姉妹の父親と上院の議席を争うこととなったため、バーとハミルトンの間に亀裂が生まれるだけでなく、バーは父親にかわって上院議員の座席を勝ち取りました。

ワシントンはハミルトンに、ジェファーソンは大統領になるために、国務長官の役を辞任すると申し出たこと、そして自らも大統領を辞任することを打ち明けます。ワシントンが辞任すると知ったキング・ジョージ3世は大喜び。次のジョン・アダムス政権はうまくいくはずがないと、アメリカが再びイギリスの元に戻ってくることを期待します。

いつもワシントンという後ろ盾がいることをおもしろく思っていなかったジェファーソン、マディソン、バーはハミルトンを失脚させるべくハミルトンの不正を暴こうとしますが、その中でマリア・レイノルドとの不倫を見つけ出します。ハミルトンは彼らに暴かないよう懇願しますが、最終的には公に自ら公表することを選びました。ハミルトンのこれまでの功績や評判を守るためでしたが、結果的には政治家としての評判を落とすこととなりました。妻のイライザも失望し、過去の文通を全て燃やしてしまいます。

数年後、息子のフィリップが父の名誉を守るために、売られた決闘に向かいます。フィリップは銃を空に向けて撃ったものの、相手の弾がフィリップに命中。フィリップは命を落としてしまいます。ハミルトンはこの事件をきっかけに妻に謝罪し、イライザはそれを受け入れました。

1800年の大統領選挙。バーはハミルトンの支持を取り付けようとしますが、自らの権力のために政党を鞍替えしたバーを好まなかったハミルトンはジェフーソン側につきます。これに怒ったバーは、ハミルトンに決闘を申し込みます。二人はニュージャージで向かい合い、ハミルトンは命を落とします。 最後に各登場人物がハミルトンの功績をたたえ、また妻イライザはハミルトンの遺産を使って、ニューヨークに初めての私立孤児院を立て50年間支援していたことを明かします。