Lyric Theatre|基本情報
住所: | 213 W 42nd St, New York, NY 10036(地図) |
開業: | 1998年 |
収容人数: | 1,500人 |
座席表: | ※クリックして拡大![]() |
Lyric Theatre 劇場の歴史
現リリック劇場が誕生する前には、旧リリック劇場とアポロ劇場があった
元々あった2軒の劇場(1903年に建設された旧リリック劇場と1910年に建設されたアポロ劇場)を1年がかりで取り壊して1つの劇場に建て替え、1998年に現在のリリック劇場(Lyric Theatre)が誕生しました。この劇場は、現在のオン・ブロードウェイ劇場の中では一番新しい劇場として知られています。(オフ・ブロードウェイ劇場で一番新しいのはニューワールドステージ劇場です)
1903年に建てられた旧リリック劇場は、作曲家であり音楽評論家のレジナルド・デ・コーブン(Reginald De Koven)が、不動産開発者のEugene C. Potterに依頼して建設しました。この劇場は間もなくして、数多くの劇場を所有していたシューベルト家の手に渡り、シェイクスピアの演劇を公演するなど、観客で賑わっていた劇場でしたが、「5000万人のフランス人(Fifty Million Frenchmen)」のヒット公演を最後に、世界恐慌の煽りがブロードウェイの劇場全体を襲うと客足が遠のき劇場は低迷し、1934年から1992年まで58年の間、映画館に姿を変えてしまいました。
ジュリアーニ市長が設立した新42丁目団体により劇場が取り壊される
the Ford Center for the Performing Artsとして再開業するも繰り返し改名
1998年1月26日、ミュージカル作品「ラグタイム(Ragtime)」の公演と共に「the Ford Center for the Performing Arts」という名前でミュージカル公演劇場として再始動を果たし、現在のリリック劇場としての歴史が始まりました。
2005年、USプレミアの「チキ・チキ・バン・バン(Chitty Chitty Bang Bang)」を公演する為に劇場を改装し、「the Hilton」という名前で再開業しました。その後に公演された「ヤング・フランケンシュタイン(Young Frankenstein)」の公演は2009年1月4日に終焉となり、同年内、劇場は使用されることなく歳月が流れました。
ミュージカル「スパイダーマン(Spider-Man: Turn Off the Dark)」で再起を図るも大赤字
スパイダーマンはブロードウェイ史上最も高額な製作費6500万ドル(当時約54億円)を掛けて制作されたにもかかわらず、6000万ドル(当時約50億円)を損失した大赤字演目となりました。これには劇団が傷害保険へ加入することが出来ず、公演を継続出来なかった背景がありました。2013年に、イギリスに拠点を置く劇場運営会社「アンバサダー・シアター・グループ(Ambassador Theatre Group)」が劇団初となるブロードウェイの劇場としてフォックス・ウッズ劇場を買収し、劇場名を現在の「リリック劇場(Lyric Theatre)」と改名しました。
2つの劇場から受け継がれたリリック劇場の建築デザイン
外観は、旧リリック劇場の42丁目と43丁目側の正面部分のデザインや装飾が完璧に移管されています。
以下の画像では、劇場外装の移管前(左)と移管後(右)の姿を見ることが出来ます。
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内装にはアポロ劇場のデザインを採用し、天井のドームや、ロビーにある階段を綺麗に取り除き移管しました。劇場の総支配人であるErich Jungwirdh氏によると、劇場内部の95%は新しく造り直されているにもかかわらず、ひとたび劇場の席について周りを見渡すと、95%は昔の劇場のままの姿をしている、と言われており、かつての劇場の姿が忠実に再現されています。
リリック劇場のアクロバット設備について
リリック劇場は、ブロードウェイの劇場で2番目に客席数が多い劇場で(1番は1,933席のガーシュウィン劇場)、この巨大な劇場の席上空間でアクロバット演出し、空中をもう一つの舞台とした演出が可能となっています。他の劇場に比べてかなり高く設計された天井の真ん中に凹みがあり(下図参照)、アクロバット演出のために使用するワイヤーを設置するための回転装置が備え付けられています。このワイヤーに吊るされながら劇場内を縦横無尽に飛び回ったスパイダーマンの演技や、ロープを使用して舞台上空まで飛び出すシルク・ドゥ・ソレイユ・パラモアのアクロバット演技などを実現してきました。
また、巨大な劇場にも関わらず、舞台から1階オーケストラ席の最後列までの距離が約27メートルしかなく、ダイナミックな演技を近距離で楽しめることもこの劇場の魅力の一つとされています。
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シルク・ドゥ・ソレイユのブロードウェイ・デビュー作「パラモア(Paramour)」
パラモア 詳細ページ ▶︎
ハリーポッターと呪いの子(Harry Potter and the Cursed Child)公演のために劇場を改装
Lyric Theatreで上演された過去の作品
上演開始日 | 演目 |
2000年4月16日~9月3日 | Jesus Christ Superstar |
2001年5月4日~2005年1月2日 | 42nd Street |
2001年9月24日~9月24日 | Dreamgirl |
2005年4月28日~12月31日 | Chitty Chitty Bang Bang |
2006年4月30日~6月23日 | Hot Feet |
2006年11月8日~2007年1月7日 | Dr. Seuss’ How the Grinch Stole Christmas! |
2006年11月8日~2007年1月7日 | The Pirate Queen |
2007年11月8日~2009年1月4日 | Young Frankenstein |
2011年6月14日~2014年1月4日 | Spider-Man Turn Off The Dark |
2014年10月16日~2015年9月6日 | On the Town |
2015年11月10日~2016年1月3日 | Lord of the Dance: Dangerous Games |
2016年5月25日~2017年4月16日 | Cirque du Soleil Paramour |
2018年4月22日~ | Harry Potter and the Cursed Child(ハリーポッターと呪いの子)※現在も上演中 |